不調のあらわれは自律神経の乱れかも・・・
頭痛、動悸、めまい、腰痛、肩こりなどの症状があらわれて、
病院で検査してもらっても原因が分からないというケースはよくあります。
さらに「気分が沈んで暗い・・・」
「怒りっぽくなっていつもイライラしている・・・」
「気力の低下を感じる・・・」など、
何も原因が分からず、精神的な不調に陥ることもあります。
これらの症状の原因に挙げられるのは、自律神経の乱れです。
そもそも“神経”とは、体内で、一体どんな働きをしているのでしょうか。
神経は、脳と体内の各器官をつなぐ情報ラインで、
皮膚や体のあらゆる部位からの刺激は、
この神経を伝わって脳や各器官に情報として送られ、
それぞれの反応や働きを引き起こします。
例えば、転んだりして肌が傷つくと、神経から脳に情報が伝わって痛みを感じ、
また、ゴミやほこりが鼻の粘膜につくと、その刺激が神経を通じて筋肉に伝わり、
防御反応として、くしゃみとしてあらわれます。
こうした情報ラインの神経は、脳から脊髄を結ぶ「中枢神経」と、
そこから体内の各部位に網目のように張り巡らされている
「末梢神経」の2つに大きく分けられます。
さらに「末梢神経」は、「体性神経」と「自律神経」に分かれます。
「体性神経」は、痛みなどの感覚を伝える「知覚神経」と、
手足を動かすなど運動にかかわる「運動神経」があり、
一方の「自律神経」は、「交感神経」と「副交感神経」に分かれ、
呼吸、循環、消化などの生命維持にかかわる神経で、意思とは無関係で働き、
自分でコントロールすることができません。
その中で、「自律神経」は、
体内の隅々までにめぐる血流のコントロールにかかわっています。
体内には、何兆個ともいわれる多くの細胞がしっかり機能することで、
健康が維持されています。
そのためには、それぞれの細胞にエネルギーとなる栄養素と酸素を
血流を通じて届けることが必要ですが、
自律神経が乱れてコントロール不能に陥り、血流が悪化してしまうと、
十分な栄養素と酸素が細胞まで届かなくなり、
各細胞の働きが低下してしまいます。
すると、胃や腸などの内臓をはじめ、各器官の働きが鈍くなり、
呼吸、循環、消化が悪くなって、さまざまな不調があらわれます。
さらに、脳細胞も衰えるので、記憶力や判断力が悪くなり、
また、肌や髪、爪などの細胞の再生力も落ちて老化が進むことになります。
こうした不調を防ぐには、
常に自律神経を整えるように意識していることが大切です。
もともと自律神経は、
男性30歳代、女性40歳代で乱れやすくなるといわれています。
加齢も自律神経の働きに影響するということですが、
日頃から、ストレスを溜めない、夜更かしはしないなど、
規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。
そして、適度な運動は自律神経の機能を高めるといわれているので、
積極的に体を動かすような活発な日々を送りましょう。